子どもに気づかされたこと「おかえりなさいスポッティ」
4歳になり、ますますおしゃべりになった長男。
おかしな話や微笑ましい話もしますが、時にははっとさせられることも。
今回は、一緒に絵本を読んでいて、息子の鋭い一言にはっとした経験をお話しします。
「おかえりなさいスポッティ」 文:マーグレット・E・レイ 絵:H・A・レイ 訳:中川建蔵 文化出版局
「おかえりなさいスポッティ」のお話は?
白うさぎの一家の中で一人だけ茶色いまだら模様をもって生まれたスポッティ。ある日仲間外れにされたスポッティは家出をしますが、そこで自分と同じまだら模様のうさぎ、ブラウン氏の家族と出会います。
「おかえりなさいスポッティ」の中で、色の違う子どもを区別しているのは、大人たち。物語の結末では、ブラウン氏一家を連れて帰宅したスポッティの話を聞くことで、スポッティのお母さんは自分の過ちに気づきます。
そこで、スポッティのお母さんが言った言葉は、
わたし どういえば いいのかしら?
そのシーンで息子がすかさず言った一言。
「『帰ってきてくれてありがとう』だよね。」
なるほど。
色や模様の違いなんて取るに足らないことで、スポッティはかけがえのない、大切な家族だったのです。
だから、お母さんには自分の戸惑いと向き合うより前に、スポッティに帰ってきてくれてありがとうって言ってほしい。
それが、率直な思いなのでしょう。
過ちに気づいてもなお区別した自分を正当化しようとする、親のエゴを見透かされた気がしました。
また、この物語の感想を息子はこんな風に話してくれました。
「おかあさんが夜探しに行くところがよかった」
家出をしたスポッティを、お母さんが夜中に一人で探しに行くシーンです。
スポッティへの愛情が、口先だけではなく行動に表れている場面。
スポッティをひとり残して出かけてしまったお母さんですから、息子は意外とシビアな目でこのお母さんを観察していたのかもしれません。
きっと、息子にとって、スポッティは自分自身だったのでしょう。
だから、スポッティが安心できるかどうかが何より大切だったのです。
この先、大きくなってから読めば、また感想も変わってくるかもしれません。
でも今は、この純粋な視点を大切にしてほしい。
区別する、というのは大人がすること。
子どもはそれを知りません。
区別すること、差別すること、仲間外れにすること、違いをからかうこと…
大人がしないように、教えないようにしなければいけないと感じた経験でした。
今日の絵本
「おかえりなさいスポッティ」「おふができるまで」「じゃあじゃあびりびり」 「14ひきのおつきみ」
長男4歳 次男1歳
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